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2013年10月1日より、消費税率引き上げに際し、円滑かつ適正な転嫁ができるように、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(「転嫁対策特別措置法」)が施行されます。この法律は2017年3月31日限りで効力を失う時限立法ですが、概要について説明いたします。

消費税の転嫁拒否等の行為の是正

①大規模小売事業者が、継続して商品または役務を提供する事業者に対し、後述する4つの行為をおこなうことが禁止されます。

②大規模小売事業者以外の法人事業者が、継続して商品または役務を提供する次のⅰ.からⅲ.の事業者に対し、後述する4つの行為をおこなうことが禁止されます。

ⅰ. 個人である事業者

ⅱ. 人格のない社団等である事業者

ⅲ. 資本金等の額が3億円以下である事業者

禁止される4つの行為は以下のとおりです。

・減額、買いたたき(消費税増税分の価格転嫁を拒否)

・商品購入、役務利用又は利益提供の要請(価格転嫁を容認する代わりに商品購入等を強要)

・本体価格での交渉の拒否(税抜価格での価格交渉を拒否)

・報復行為(公正取引委員会等に報告したことを理由に取引を停止etc)

消費税の転嫁を阻害する表示の是正

事業者は、次のような消費税の転嫁を阻害する表示をすることが禁止されます。

①消費税を転嫁していない旨の表示(「消費税は転嫁しません」etc)

②消費税分を減額する旨の表示(「消費税率上昇分値引きします」etc)

③消費税に関連して経済上の利益を提供する旨の表示であって、②に準ずるものとして内閣府令で定めるもの(「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」etc)

価格の表示

消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者は、総額表示義務の特例として、下記の表示が認められます。

・外税表示 例)「10,000円(税抜価格)」「10,000円+税」

・税抜き価格の強調表示 例)「10,000円(税込10,000円)」

消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為

事業者または事業者団体は、公正取引委員会に届出をすることにより、2014年4月1日から2017年3月31日までの間、独占禁止法の適用除外として、商品又は役務の提供について、転嫁カルテル及び表示カルテルが認められます。

・転嫁カルテル…消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為

例) 各事業者がそれぞれ自主的に定めている本体価格に消費税額分を上乗せする旨の決定

※ 転嫁カルテルは、参加事業者の3分の2以上が中小事業者であることが必要です。

※ 「本体価格を統一することの決定」は独占禁止法の適用除外にはなりません。

・表示カルテル…消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為

例) 「消費税込価格」と「消費税額」とを並べて表示する旨の決定

※ 表示カルテルは、全ての事業者や事業者団体に認められます。